大会長挨拶

第57回日本理学療法学術研修大会inとやま
大会長  酒井 吉仁

【ごあいさつ】

 新型コロナウイルスの感染拡大が進む中、日々、最前線で職務に尽力されている皆様に、心から敬意を表するとともに、深く感謝を申し上げます。

 また、本研修大会の開催形式が対面での技能研修からオンラインでの研修に変更となりましたことをこの場をお借りしてお詫び申し上げます。

 リハビリテーション専門職として我が国に理学療法士が誕生して50余年が経過し、理学療法士は社会ニーズに応えるべく、臨床・教育・研究活動に励んで参りました。その結果、リハビリテーションという言葉への認知度は高まり、理学療法士のさらなる職域の拡大と高度の専門性が求められています。その反面、理学療法士、理学療法という言葉の認知度は高いとは言えず、少子化による大学全入時代に入り多様な養成課程と養成定員の増加は、教育、学習の質の格差を生み、一部では理学療法士としての基本的な職能技能の低下が指摘されています。名称独占である職名は、一般の方々にとってわかりにくい専門職の職務内容と質を保証する資格・免許を有していることを示します。そのため理学療法士には、この名称に対する社会的な信用力を確保し、対象者との信頼関係を確立させるだけの知識・技術を保有するだけでなく人徳を兼ね備えたプロフェッショナルであることが求められます。

 本研修大会は、"理学療法士の臨床技能"を高める学術研修大会としての主旨に則り、「臨床技能の伝承~プロフェッショナルリズムの追求~」をテーマに理学療法士が半世紀の間に培ってきた技能を再検討し、多職域の理学療法士にとって必要な基本水準の理学療法技能の学修、多世代の理学療法士のニーズに合わせ外的水準に見合った高質水準の理学療法技能の学修を目的として開催いたします。

 研修プログラムは、ジェネラリストとしての理学療法技能研修 病期別2コースと高質水準の理学療法技能研修 専門分野9コースを企画しています。

 研修大会がオンライン開催となり、対面での技能の伝承は行えなくなりましたが、各研修プログラムの講師には、参加者のロールモデルとなる方をお招きし、演習、実技、症例検討場面を動画でご紹介いただき、公益性、道徳性、専門性が強く求められるプロフェッションとしての理学療法技能実践を学修できる内容とします。

 各研修プログラム後に開催される1時間にわたる伝承部屋での講師を交えた意見交換の場の設置は、当準備委員会若手のアイディアです。単に話を聞く研修とするのではなく、多くの言葉を交わして学んでいただきたいと思います。

 また、本大会のテーマでもある「臨床技能の伝承~プロフェッショナリズムの追求~」と全ての研修プログラムの基盤でもあります「理学療法診療ガイドラインの活用~患者と医療者の共同意思決定のために~」、プロフェッションとしての社会的責任について「理学療法士と医療福祉・保健政策」と題した事前配信プログラムを準備いたします。

 理学療法士が対象者の課題解決を図るといった日々の臨床活動を通して自己の技能を客観的に評価し、技能水準を高めていくためには学修の継続が重要です。わずかの開催期間である本研修大会では、学修の動機付けとなる気づきを各々に与えられる研修を提供したいと考えております。2日間のオンライン開催ではありますが、多くの講師・参加者が一堂に会し、一緒に学び合うことにより、理学療法士としてのプロフェッショナルリズムを追求していただく事を期待しています。

 最後になりましたが、一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息と、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。